ゴアテックスの手入れ法

ゴアテックスの特徴

 

 

水蒸気は通すが雨は通さないという画期的な機能性で、ゴアテックスは防水透湿性素材のパイオニアにして代表格となっています。

 

レインウェアなどはゴアテックスが登場するまでは登山用などのいい物が存在せず、ゴム引きのカッパやハイパロンなどの完全防水品が利用されていました。

 

当然これらの素材の透湿性はゼロですから、通気性を確保したナイロンポンチョなどを組み合わせて凌いでいたのです。完全防水、透湿性ゼロのウェアともなればかなり激しく蒸れるわけで、それらを着て30分もすれば、あまり体を動かさなくても内側がベッタリ濡れます。これは雨で濡れるのではなく、体から出る水蒸気で濡れるので、着ない方がましなこともある位です。

 

つまりゴアテックスの登場以前では、夏の日中であっても山で風雨の中を行動することは非常に危険な状態だったのです。そんなわけでゴアテックスの登場はまさに画期的な事となったのです。

 

ゴアテックスのポイントは「水分子より小さく水蒸気分子より大きな穴が無数にある膜」にあります。これだけではすぐにボロボロになってしまうので、ナイロンなどの素材にぴったりと接着させるラミネート加工が表裏に施されており、「3レイヤー」と呼ばれる3層構造をなしています。

 

レインウエアなどで1枚生地に見えるのは大体この3レイヤー構造です。ゴアテックスの場合は概念が複雑なのですが1枚のメンプレン状態になっているのが優れた点で、ゴアテックスの性能値である耐水圧40,000mm以上、透湿性13,500g/m2/24hの表記は特筆ものです。この機能は医療分野でも多く用いられており、人工血管や歯科での骨増生のメンブレンなどに利用されています。